『ううむ、これはすごい!』

980/10000 2022 1月12日水曜日
毎週水曜日は、◆読む・書く・話す
コミュニケーション全般を含みます。


これはすごい!と感じた本、
ありますか?

今読んでいるこの本、
まさに聞きしに勝る物凄さです。

8年半、電気ガス水道ナシの
ランプ暮らしをしたのだから
陰のことは知ってるわよ、
と思わないこともなかったのですけれど
全然レベルが違っていました。
ま、谷崎潤一郎とは
暮らしている階層が違っているとしても。


子供のころは
家の中に裸電球一つだった
便所に行くときは怖いので
戸を全部開けて行った
風呂場のろうそく、
お盆の提灯、
雪道提灯下げて父の安否を探索に
家を出た母と姉

小学校4年のころ
父が電気屋さんに頼んで
わが家はいくつも蛍光灯がつき
明るくなった

わが師の家の中も小暗かった



障子、厠、照明、漆、衣装、
女の肌の色、家屋の暗さ、文楽他
この国の文化の明に暗に
底に、様相を様々に、あった
陰翳について筆は進みます。
西洋とこの国の文化の違い
を比べます。


一体文化とは何か?
それを大切にするには?
そのメリットは何か?
あらためて深く考えさせられます。


ここ10年くらいに出現して
席巻している四角な家をみたら
文豪はなんというだろうか、
言葉を失うに違いない。

白か黒か、
イエスかノーか、
では決められない
人の心のあや、グラデーション、
入り組んだ心模様に
センシティブでありたい。

住んでいる原風景が
変わってしまったことと
心の動きもリンクしていると感じる。


文豪谷崎の本を始めて読みました。
幸田露伴、樋口一葉も
テキストで一部分しか読んでない(恥)
無知ほど恐ろしいものはない。

過去の文化の膨大な蓄積について
殆ど何も知らないとは凄まじい。


名著を動画にしたのがいくつか
投稿されています。
チラ見しました、しかし、
谷崎の筆に遠く及びません。
カラーの画像よりも谷崎の文から
伝わってくるものの方が圧倒的です。
書くよりも読むことが先決、
ほんとにそう思いました。
以上、今日の駄文でございます。



 

手間がかかると、ハンカチに包んだ漆のお椀を使わないでいるのは
文化の退化と知りました。