『日々無心~映画「PERFECT DAYS」』 

1384/10000  月暦3月17日 太陽暦4/25(木)

今日見てきた映画『PERFECT DAYS』、
やるもんだ、と深く静かな感動を胸に帰って来ました。
もう見ましたか?帯広は今日が最終日、結構入ってました。

主人公の平山さんは、ひとり暮らしの男性で公衆便所の掃除が仕事です。
毎日のルーティン・ワークが決まっていて、それを毎日淡々とこなし、
仕事のトイレの掃除は丁寧、
好きな音楽のカセット・テープの取り扱いも丁寧、
口数は極端に少なく、必要最小限のことしか口に出しません。

朝外に出るとまず空を見上げてかすかな笑みが浮かびます。
仕事の途中、植栽された木から落ちた実生の今年芽を出した木を
目ざとく見つけてかねて用意した折り紙の箱にそっと移して
家に帰ると湯呑みの植木鉢にそっと移植します。毎日霧吹きを欠かしません。
プラスチックのポットではない陶器の器に小さな木が、いくつも育てられています。

銭湯で汗を流してリラックス、
行きつけの気の置けない店が数件、
なじみの古本屋で幸田文さんの『木』を買う

複雑でややこしい人間関係はナシ
ピンと来ない、消耗させられる人からは離れる

平山さんの暮らしは、民間禅寺、民間修道院のようです。
しかし住んでいるのは
東京の繁栄からは程遠い古い木造アパート です。

シンプルです。
カウンセラーもコーチも不要。
ああ、これだな、と何か蘇ってくるものがあります。
頭を使った過剰な言葉がない、
ほっとしました。
どうということない日々の暮らし
その一コマ一コマを丁寧に坦々と暮らす、
無心であることが返って多くを物語っている。
溢れかえる情報の洪水に足を取られ 知らず知らずのうちに、
思い、期待、意欲が
過剰になっていたのではないか、複雑にしていたのではないかと
わが身をふり返りました。



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このピンク、息子の嫁さんのお気に入りです。