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毎週日曜日は、◆その時私は76歳だった
残された人生を私たちシニアの後の世代のために、子どもたちの未来のために何ができるか?
この挑戦の様子をLIVEでお伝えします。
さて今日は、
F.アルベローニ氏の本からの抜粋を書き出します。アルベローニ氏が、この14日に亡くなっておられたたことを知ったからです。
アルベローニ氏は、ご存じの方も多いことでしょう、1929年生まれ、イタリアの社会学者、でミラノ近代語学大学学長をつとめ、哲学、医学、宗教、文学と幅広い教養をもち多くの著作がベストセラーとなり、日本でも多数の本が翻訳され広く読まれています。
私がアルベローニ氏と出会ったのは、更年期のどん底で、なんとしても人生を変えようという思いが胸の中から湧き上がって来たときでした、本の裏に古いので1999年と記入してあります。10冊近く購入して一冊も捨てずに持っていて、そのうちの数冊とは常に一緒にいます。
胸の中で、頭の中でもやもやと渦巻く思いを、古今東西の広い視野から、まことに見事に言葉にしてくれて、私はその言葉の数々に導かれてきました。
⤵ 常に本棚にある3冊、あるだけで安心させてもらっています。
アルベローニ氏を偲んで、『戦う勇気、退く勇気』からパッと開いたところから抜き書きします。
◆ がんばろうとすれば反対に、苦しみにも骨折りにも絶望にも歯を食いしばって耐え続けなければならない。努力と勇気と不屈の魂のほかに、大いなる希望も必要だ。・・・
負けを呼ぶのは自分を出し惜しみするケチな心だ。すべてを洗いなおし、勇気を出して新たな道を探ろうとしない怠け心だ。 p21
〈この言葉にずっと励まされてきました〉
◆ 楽天性と大いなる気概をもっていなければ、起業家としてやっていくのはむずかしい。楽天家は他人が何も見ないところに可能性を見出し、どんなに危ない局面に出会ってもうまい解決策を思いつく。・・・そんな人は失敗にも負けず、周囲の人たちを目標に向かったリードしていく。
〈大いなる気概か、持っていいのだな。時々へこむとしても、短期的には悲観的に長期的には楽天的に、と使い分けが必要だ〉
◆物事を学ぶうえでは、・・・じっくりと本に向き合い、問題を受け入れ、やりやすいところから手をつけ、使える材料や協力してくれる仲間の助けをすべて取り入れながら解決をはかる。そうするうちに、問題が自然になじみの深いものになり、いつのまにかすんなり対応できるようになっている。 p38
〈74歳でスモール・ビジネスに取り組み始めて、一年めは何もわかってないことがわかって、2年目は,起業は未知のものであったことがわかって、パート主婦モードから独立自営業モードに体質転換の歩みを一歩一歩、 3年目の今年は 問題がなじみの深いものになりつつあるのが今です。〉
◆プロであるということは、お客や雇い主の意向に合わせて自分の仕事や技術を駆使できるように、適切な対応の仕方その他をすべて身につけているということだ。意図が好ましいかどうかということよりも、事実がものをいう。
〈意図、志はいいのだけれど、具体的に目に見えて手にできるメリットをどう言葉でするかが今の課題です。〉
◆他人の人のために力を尽くし、何をさておいても助けようとする寛大な人はいる。そういう人は、トップの地位に登っても、話し相手の気持ちや立場を敏感に察し、尊重する。無理強いしないで他人をリードし、傷つけることなく誤りを正し、屈辱感を抱かせずに援助する。自分が悪いと思えば謝って間違いを正すだけの謙虚さをもちあわせている。・・・「良心」とは、こういう倫理的知性のことなのだ。
〈こういう人に私はなりたい〉
◆しかし生きていくには前を見つめ、新たなことに目を向け、新たな力と目的を見出さなければならない。・・・しかしいったん引き受けたら、はじめの仕事にかけたのと同じ情熱を注ぐことが大切だ。中途半端にやったり、やってから文句を言ったりするのは見苦しい。どんなに大変な仕事でも、全力で当たるつもりになれば重荷ではなくなるものだ。 P104 ~105
〈年齢が若いときのような馬鹿力はムリだけれど、一度これだと手をつけたことは最後までやらないと気が済まないのです〉
◆底にひそんだエネルギーを汲みあげると、全身に力があふれてくる。われわれにのしかかって心を枯らしていたのは、根っこを失った規則だった。衝動は、揺さぶられ解き放たれると、驚くべき課程をへてひとつのかたちに。秩序に変わる。・・・芸術家は創造への意欲にかられているから、手を抜こうとはけっしてしない。恋するものも。恋のためなら如何なる苦労も困難も軽い試練としか感じない。 P108
〈シンクロニシティな、ミラクルな数々の出会いに恵まれて、驚くべき課程の只中に今おります。未来を信頼して、その未来を一歩一歩なぞっています〉
こうしていくつか筆写するだけでも元気が出て背すじに気が入ります。言葉の力は偉大ですね。アルベローニ氏が言葉の中にイキイキと生きておられるのが感じられます。かえって近くなった気さえしております。
R.I.P. フランチェスコ・アルベローニ氏