767/10000 2021 06 12
毎週金曜日は、◆ステキにエイジング
今日は、今読んでいる貝原益軒の『養生訓』から抜き書きします。
この本持っていたのだけれど積読状態のところに、私の自分史講座に参加して下さった方がお持ちになって貸して下さったのです。こちらは松田道雄さんの現代語訳で読みやすいです。古典というものの素晴らしさに目覚めました。日本の古典を読むときには突っ張らずに現代語訳から入ったら楽ですね。
では、名言で埋まる総論からいくつか。
一、庭に草木を植えて愛する人は、朝晩心にかけて、水をやったり、土をかぶせたり、肥料をかけたり、虫をとったりして、よく養い、その成長を喜び、しおれるのを悲しむ。ーーーどうして自分のからだを草木ほどにも愛さないでいいことか。ーーー身を慎み、生命を大事にするのは、人間最大の義務である。
私の感想 <草木と自身とは同じ生命、言われてみれば確かにそうだ。My Little Gardenの草木と自分の身体は同じか、ふむふむ。自身を大切にしていればまわりの人も大切にしようと思うしな。>
二、健康を保って養生するのに、ただ一字大切なことがある。これを実行すると長生きして病気をしない。ーーーその一字とは何か。それは畏という字である。畏れることは身を守る心法である。ことごとに注意して気の動くままにせず、過失のないようにし、いつも天道を畏れ、慎んでしたがい、人欲を畏れて。慎んでがまんすることである。ーーー畏れるということは、慎みに向かう出発点だからである。畏れると慎みが生まれる。畏れないと慎みがない。
<畏れる、このこと本当にキモだと思う。畏れるという生命カンがあったら多くのことが安らぎのうちになされると思う。>
三、人間のからだはたへん大事なものだ。それなのに、いたって小さい欲をむさぼってからどをそこなうのは、軽重を知らないといえる。
<つい食べ過ぎる長年の悪癖、最後のひと口を残すか、お膳を整えるときひと口分減らせばいいのだな。>
四、貧賤な人も、道を楽しんで毎日をくらせば大きい幸福である。そうなると一日を過ごす間も、その時間が長く楽しみも多かろう。まして一年の過ぎる間、春夏秋冬の季節季節の楽しみが、毎日最高であるというのだったら、こんなにして年を多く重ねてうけば、その楽しみは長くその効果は長命となって現れよう。
<日々の何気ないことにいちいち喜びを感じることができるのはほんとに幸せだと思う。季節の変化はハイ・スピードで 追いつくことは一生できないと思う。>
五、ひとり家にいて、静かに日を送り、古書を読み、古人の詩を吟じ、香をたき、古い名筆をうつした折本をもてあそび、山水を眺め、月花を観賞し、草木を愛し、四季のうつりかわりを楽しみ、酒はほろ酔い加減に飲み、庭の畑にできた野菜を膳にのぼすのも、みな心を楽しませ気を養う手段である。貧賤の人もこの楽しみならいつでも手に入りやすい。もしよくこの楽しみを知っていれば、富貴ではあるが楽しみを知らない人にまさるといえる。
<ちょっとした心と文化のたしなみ、必須だよな。加えて、掃除・洗濯・ご飯の衣食住の仕事もこの中に入るようにしたいな。>
六、人の世においても、心をゆたかにして物と争わず、理にしたがって行動すれば、世にさわりがなく、天地が広い。こういう人は命が長い。
<『世の常のことでは争うな』と父に教わったキャサリン・ヘップバーンは96歳の長命だった。>
七、養生の害になるものが二つある。一つは元気をへらすことで、第二が元気をとどこおらせることである。飲食・色欲・運動が過ぎると元気はやぶれてへる。飲食・安逸・睡眠を過ごすと、とどこおってふさがってしまう。へるのもとどこおるのも、みな元気をそこなうものである。
<鍛錬と休養のバランスを心がける、ということだな。>
八、心はからだの主人である。この主人を静かに安らかにさせておかねばならぬ。心が安らかで静かだと、からだの主人たる天君はゆたかで、苦しみなく楽しむ。からだがうごいてはたらけば飲食したものはとどこおらず、血気はよく循環して病気にならない。
<健康をつくるのは75%が気の持ちようだというからな。>
九、人に対して、喜びと楽しみをひどくあらわすと、気が開きすぎて減る。孤独で憂いと悲しみが多いと、気がむすぼれて塞がる。へるのと塞がるのとは、元気の害になる。
<ふむふむ。心しておこう。>
十、心を静かにしてさわがせず、ゆるやかにして迫らず、気をやわらかくして荒くせず、口数を少なくして声を高くせず、高く笑わず、いつも心を喜ばせてむやみに怒らず、悲しみを少なくし、かえらねことをくやまず、過失があったら一度は自分を責めて二度とくやまず、ただ天命に満足してくよくよしない、これが心気を養う道である。
<ほっとするなあ、このような言葉が心に入る年になったのを感じる>
ずっと積んであったこの本を『しうこばーばの自分史講座』の参加して下さった方がわざわざ貸してくださいました。このこともひとつのシンクロニシティでした。
この春からちょうど、心静かに、万般シンプルにしていこうと身の内から湧いてくるものがあったからです。
古典っていいですね。言葉はシンプルで中身は深く、それも小難しくなくてすっと入ってくる、読みたい、読まなくちゃと思う本がたくさんあります。