『そうか、わかった!』

1008/10000 2022 2月9日 水曜日
毎週水曜日は、◆読む・書く・話す
コミュニケーション全般を含みます。


今日は、読むで、この本のレポートです。
資本論? 有名な本だけれど
分厚いのが何冊もあって難しそう、
一生読むことはないだろう、
と思っていました、ところが
あら、NHKテキストで斎藤幸平さん!
で、買ってきました。

これはおもしろい!
難しくて一回ではわからないところで
止まらずに、さっと一読しました。


わかった!こと その①

・小学校3年のころ、
豪雪地帯の故郷のメイン・ストリートに
はじめてブルトーザーが入って来た時の
違和感と屈辱感、これが何だったのか。

・一学年100人の故郷から
一学年8~10クラスの
県庁所在地に引っ越した時の
寂しさ~後で『疎外』という言葉を知った、
それが何だったのか。

・県庁所在地に引っ越して
我が家はスーパーマーケット経済に巻き込まれ
母の最も重要な仕事の年中行事も
簡略化、数が減っていった、
これはいったい何だったのか。

・大学一年生の時、優秀な先輩が
『期待される人間像』他を読む合宿を
やってくれた。幼稚な私は何も知らず
殆どわかっちゃいなかった。
よくないことであるらしいと
うすうす感じはしたものの。


・学園闘争の時代、キャンパスに連日うねる
ジグザグデモを見ながら
いったいこれは何なのだ?
という大きなクエッション・マークが
胸の中に生まれた。その後ずっと
それが知りたくて生きてきた。
私は活動家ではなかったけれど。
このことについては
2015年の秋に一度、ジグソー・パズルの
ピースがはまった。


・大学を卒業したとき
普通の就職をする気にならなかった、
普通の就職をしないで
『丸ごと一つのいのちが分断されない
生き方』をなんとなく体感で求めていたのは
なんだったのか。

・自分がなぜ、お金というものから
60過ぎ迄引いていたのか。


・パートタイマー修行の15年
労使間になぜ対話がほとんどないのか、
働く人々が、
理不尽なことがあっても
給料をくれる側に
ほとんど❝逆らわない❞のはなぜか?
従うこと以外に考えられないのは
なぜなのか?



・なぜこの国では
今なお原発を推進しようとするのか、
辺野古新基地、リニア・モーターカー、
風力発電機設置による森林破壊ほか
なぜむごたらしく収奪することが
やめられないのか?


◆わかったこと その②

しかし、そういう生き方ができない
人々が増えているのは
何故か?その意味は何か?


・1970年代、知り合って仲間になった
友だちの多くは過疎地に入植していった。
私は長野県の山の中の一軒家で
電気ガス水道ナシで8年半暮らした。

・今ここ十勝でも
地産地消のおいしいレストランに
事欠かないし、
入植して自然農法で頑張っている
生産者さんが何人もいる。
衣、食、住、それに子育てと
いのちを損なわずに
大切に暮らそうとしている人たちの
ネットワークがある。

コミュニティ・スペースをつくって
賑やかに運営している友達もいる。
安心していられる場所が
求められている。

SNSでは、
GDPにこだわらない
その土地を大切にして
暮らしの中から新しいビジネスを
創り出してうまくやってる、
そんな情報に目を凝らしている。

ビジネス界でも
時代に先駆けて
新たな哲学とノウハウとITを駆使して
あたらしいやり方で新しいビジネスを
創り出して成功している世界がある。




こんなところにも
マルクスが登場することを
はじめて知って
尊敬と親しみが湧きました。

私たちは、
高度経済成長政策が列島を席巻して
約10年後に、
もう一つの生き方を求めてうごめいていた。
マルクスはすでに150年前に
資本主義を克明に総括して
それを克服する生き方と新たな文明を
調査して思考していたのでした。



資本主義に代わる新たな社会において大切なのは、
「アソシエート」した労働者が、
人間と自然との物質代謝を合理的に、
持続可能なやり方で制御することだ。
アソシエートするとは
共通の目的のために自発的に結びつき、
協同するという意味です。』


なるほどね。




なんとなく、身体の反応で
やっていたことが、
こういう意味だったのか!と
サラリと入ってきます。
その表現は穏やかで平明、
相手と同じ土俵に立つことなく
一段高く深い視野が示されています。
まさに、知は力、を実感します。



これから世の中に出ていく高校2年の
孫姫にプレゼントすることにしました。
B5版129ページです。

真冬の貴重な緑の濃い野菜、
ちびちびと頂いて、いよいよ今日で食べきります。