『息子は小さいとき暗唱していた』

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毎週水曜日は、◆読む・書く・話す
ずいぶん範囲が広いですね。コミュニケーション全般を含みます。

今日は外山滋比古先生(1923ー2020)のご本、
『頭の良い子に育てる日本語の話し方 わが子に伝える「絶対語感」』(2003)
の第一章を読みましょう。

読む・書く・話す に加えて、『聴く』が大変大切であると知りました。

生まれたときから小さいうちに子どもが耳で聴いた言葉が頭の良し悪しを一生左右する
という極めて大切なお話です。




★ 外山先生の本から抜き書きします。

・日本語を、改めて「ことば」として意識しましょう。
・ことばだけは、生まれた瞬間から、習得を始めることができます。

・耳から言葉を覚えていく赤ん坊にとって、先生である母親の言葉はとても大切です。母乳が体の糧なら、「母乳語」はこころの糧です。
・普通より、すこし高い調子の声で、抑揚を大きくして、くりかえし、おだやかに、ほほえみを浮かべて話しましょう。
・こどもは、くりかえしくりかえし聴くことで、はじめのことばを習得します。十分に母乳後を与えられた子はものとことばの結びつきを自然な形で体得することになります。この過程に必要な期間はおよそ30ヵ月です。

・母乳語を与えられていたこどもは、やがて、抽象的なことばの使い方をする「離乳語」へ切り換わらなくてはなりません。抽象語とは、目に見えない、抽象的な〝ものごと〟をあらわすことばのことです。
・具体的なものと結びついた母乳語と、抽象的なものをあらわす離乳語、この二つの言語の併用で、人間は高度な文化をつくりあげてきました。

・人間は、価値のあるウソをつぎつぎとつくり出しながら、文化をきづいてきたのです。離乳語は、豊かなウソをつくり出しながら,想像力を広げ、頭のはたらきをよくする作用があるのです。母乳語と調和しながら離乳語が発達する時期は、三つ子の魂が、つくりあげられる時期に重なります。

・まず耳で聴くことが、聡明の第一歩となります。現実には存在することのないおとぎ話や昔話を、耳から聴いて育つことで、こどもは聡明になることができるのです。

・抽象的言語というものは、すべての勉強に関係します。三つ子の魂が作り上げられる時期に、二つの言語にしつけをすることは、あとあと知的能力を伸ばすのに、欠かすことができません。

・おとぎ話は、日本のものを、暗がりのなかで、添い寝をしながら、10回は繰り返して、三歳ぐらいから、二年の間に,十から、十二、三の話で充分です。
 「自分の経験の外にある」ものが、すんなり頭に入っているかどうかで、知的学習の成果に大きく差がでてくるのです。

・母乳語を三十ヵ月、離乳語を三十ヵ月。この時期をきちんとしつけることができれば、こどもの、はじめのことばのインプリンティングつまり反復習得は、まず、完了します。
 この時期は、文字以前のことばが自然に習得される時期で、耳の賢明さというものを育てるのに、決定的に大切な時期なのです。

・幼いころから、よいこと、望ましいこと、普通のことをくりかえし、くりかえししつけ、刷り込んでいくと、自然に習慣ができあがっていきます。そうした習慣のなかから、にじみ出るように生まれてくるのがこころです。こころがはじめにあるのではなく、習慣の結果、うまれるものなのです。
では、なにを習慣化すればよいのか。いうまでもなく、まず、ことばです。

・幼いときに一生にかかわる三つ子の魂が形成されるのと同じように、ことばにおいても、一生にかかわることばの魂が決定されてしまいます。ことばの魂とは、そのひとにとってのことばの基本、「絶対語感」ともいうべきものです。
いったんことばが習得されて、絶対語感ができますと、いままで聴いたことも教わったこともないことばでも、わかり、使えるようになって、さらに自分で新しい言語表現を生み出すことができるようになります。

・英語の早期教育より、きちんとした母国語をしっかりしつけ、絶対語感をつくりあげること。これが人間のこころの原点だということを、忘れてはならないでしょう。

★ 関連して思い出すことをメモします。

・二人の息子たちは9時には照明を落として本を読んでやるようにしていたな。
・福音館の絵本はできるだけ集めて一生懸命読んで聞かせた。
・そのころ何回も読んだり歌ったりした本は、汚れてぼろぼろでも捨てられずにとってある。
・ある日、小学校に上がる前の息子が便所でうんこをしながら、何回か聴いた絵本の文章を大きな声で暗唱と意識するでもなく暗唱していたことを鮮明に覚えている。やるではないか!爽快だった。
・子供たちは岩波、福音館よりも、講談社の絵本や『コロコロコミック』の方が好きなのであった。
・大学時代何を勉強したかというと、『ナルニア国物語』『メアリー・ポピンズ』『長い長いお医者さんの話』他ファンタジーを奨学金で買って読み耽った。

 なんとなくいいと思うことを子どものためにと、脈絡もなくバタバタと、それでも一生懸命でした。
 外山先生の「絶対語感」を知って子育てできる今のお母さん方はなんてラッキーなんだろうと胸に深く思われることです。

初冬に花の色、一度雪を被ったナデシコです。